思い付くままショートショート(未確認な空、きらきらと)
きらきらと、何かが光っていた。
冬色に染まり始めた空に、小さな点滅が浮かんている。空に溶けてしまいそうなほどに小さく、目を離したすきに消えてしまいそうなほどに儚く。
「ねえ、あれ」
隣に立つ彼に、私が見つけたきらきらの在り処を指差して伝えた。
「何?」
けれども小さすぎて、彼には上手く伝わらない。空を漂う光の粒はたったひとつ。指先よりも小さくて、幻のように儚くて。
「何か光ってる。きらきらしてるの、判んない?」
「判んない」
即答されてしまうのも仕方がないのかもしれない。けれども。
「ほら、あの辺! 判んないかなあ」
少し意地になってしまう。私にしか見えていないきらきらなのではないかと、ちょっとした不安を抱えながら。
「判んないよ。UFOとかなんじゃね?」
UFO。未確認飛行物体。
確かに、今の私にとってあのきらきらは何物だか判らない、未確認の物体だ。
「でも光ってるよ」
私は彼に向き直り、不機嫌そうな顔を見せる。UFO扱いされたのが、子供扱いされたかのようで。
「すごいちっちゃいのが漂ってるじゃん? 何で見えないかなあ」
つい、意地を張ってしまった。
「見えない」
「もう!」
私は完全に不貞腐れ、再度空を見上げた。けれども、目を離したすきに、きらきらの粒は消えていた。
「……どっか行っちゃった」
諦めきれない私は、それでも空を見上げ続けた。このまま見付けられないと、UFOだということになってしまいそうで。
それが、少しだけ悔しかったのだ。
「あ」
彼が声を漏らす。
「何?」
私が不機嫌に尋ねる。
「あれのこと?」
彼が指差す方向を見ると、きらきらの粒が大量に舞っていた。
「……たくさんあるね」
さっきまでは、一粒だけだったのに。
「あれってさ、風船じゃね? あの辺りって確か結婚式場あるし」
理に適った彼の言葉。UFOよりも間違いはないだろう。
それでも、なんだか特別だったはずのきらきらが、普通のことになってしまうような気がして。
「ええ? 風船? UFOじゃなくて?」
どちらを望んでいたのかは判らない。けれども。
「判んないけど。風船っぽいけど不確かだから、UFOで良いんじゃね?」
ふたりで見付けた特別な何か。
「じゃあ、UFOで」
それを望んでいたのだとは、思った。
ちょっと実話入った話。つっても、風船見付けたってとこだけだけど。
実話小説が書ける人ってすげえ。全然うまく書けないもんさ。
これネタとして使えそう! とか思っても駄目ね。うん。
起承転結も何もあったもんじゃないわ。
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